トントロおいしいメモ

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なにをやらないか

4月25日から、4都府県を対象に緊急事態宣言が発出されることになりましたね。もはや「緊急事態宣言を出さないよりは出したほうがまし」くらいの位置づけで発出しているんだろうなと、僕は理解しています。この状況に慣れてしまったようで、正直自分が怖いです。

僕は会社員として仕事をしていても感じるのですが、有事の際は、リスク管理能力や慎重さがリーダーに求められる気がします。景気がいいときや平時のときは、先鋭的な企画や営業活動が礼賛されて「なにをやるか」が大事そうですが、現在のような苦難の中では綿密なリスク分析を経て「なにをやらないか」を選ぶ判断が必要だと思います。

過去2回の緊急事態宣言や今も10都府県で適用されているまん延防止等重点措置について、その効果はどうだったんですかね。どの程度検証されたのかはなんともわかりません。ただ、もしも「3回目の緊急事態宣言を出しても効果はなさそう」という想像が働けば、緊急事態宣言は「やらない」で、別の措置を練るプロジェクトが動いていると思うんですよ。けど現実にはきっとブレイクスルーは生まれていなくて、今までやっていた施策をなんとなく繰り返して体裁を取り繕ってるだけのように見えます。

今の国会や政府は、自分たちが「なにをやらないか」を検討しているのではなく、国民に対して「なにをやらせないか」を選んで、十分な立法もしないまま「要請」とか「自粛」という言葉でなんとなく国民に我慢を強いています。世界的な未曾有の苦難が続いて慣れてしまっているのかもしれませんが、僕たちは本来憲法で保障されているはずの自由権として、移動の自由、集会の自由、営業の自由などが制約されているんですよね。コロナ禍の終息した後にこの苦難を振り返ったとき、人権に対する考え方が一変してしまわないか、けっこう心配です。